ONUと市販ルーターの正しい接続方法と設定

ONUと市販ルーターの正しい接続方法と設定

ONUと市販ルーターの正しい接続方法と設定

ONUとは

ONU（Optical Network Unit：光回線終端装置）は、光ファイバーケーブルからの信号を、家庭内の機器（パソコンやルーターなど）が理解できる信号に変換する装置です。NTTのフレッツ光や、各光コラボレーション事業者のサービスなどで使用されており、光回線を利用したインターネット接続の必須機器となります。

ONUは、光信号とイーサネット信号の変換を行う役割を担っており、一般的には、NTTなどの通信事業者からレンタルされることがほとんどです。ONUの機能は、サービス提供事業者によって若干異なる場合がありますが、基本的な役割は同じです。

ONUの主な機能

光信号の受信とイーサネット信号への変換
インターネット接続のためのIPアドレスの取得
PPPoE（Point-to-Point Protocol over Ethernet）認証

市販ルーターとは

市販ルーターは、ONUから送られてきたイーサネット信号を受け取り、複数のデバイス（パソコン、スマートフォン、タブレット、ゲーム機など）でインターネット接続を共有するための機器です。ルーターは、各デバイスにIPアドレスを割り当て、インターネットへの通信を管理する役割を担います。

市販ルーターの主な機能

複数のデバイスへのIPアドレスの割り当て（DHCP機能）
インターネットへの通信経路の管理（ルーティング機能）
Wi-Fi（無線LAN）機能によるワイヤレス接続
セキュリティ機能（ファイアウォール、WPA2/WPA3など）

ONUと市販ルーターの接続方法

ONUと市販ルーターの接続は、一般的に以下の手順で行われます。

ステップ1：ONUと市販ルーターの電源を切る

作業を始める前に、ONUと市販ルーターの両方の電源アダプターをコンセントから抜いてください。これにより、機器への予期せぬダメージを防ぎ、設定の初期化などを避けることができます。

ステップ2：ONUと市販ルーターをLANケーブルで接続する

ONUに備わっているLANポート（通常は「LAN」「GE-PON」「WAN」などと表示されています）と、市販ルーターのWANポート（通常は「WAN」「Internet」などと表示されています）を、LANケーブル（イーサネットケーブル）で接続します。

LANケーブルは、カテゴリ5e（CAT5e）以上のものを使用することを推奨します。
ONUとルーターのポートには、それぞれ役割がありますので、正しいポートに接続してください。

ステップ3：ONUの電源を入れる

ONUの電源アダプターをコンセントに接続し、電源を入れます。ONUのランプが正常に点灯・点滅することを確認してください。通常、電源ランプ、認証ランプ、回線ランプなどが点灯します。

ステップ4：市販ルーターの電源を入れる

ONUの電源が安定したら、市販ルーターの電源アダプターをコンセントに接続し、電源を入れます。ルーターのランプが正常に点灯・点滅することを確認してください。

ステップ5：市販ルーターの設定を行う

市販ルーターの初期設定を行います。設定方法はルーターの機種によって異なりますが、一般的には以下のいずれかの方法で行います。

a) Webブラウザによる設定

パソコンやスマートフォンなどのデバイスを、市販ルーターのWi-Fiに接続するか、LANケーブルでルーターのLANポートに接続します。その後、Webブラウザを開き、ルーターの管理画面にアクセスするためのIPアドレス（例：192.168.1.1、192.168.0.1など）を入力します。

IPアドレスは、ルーターの取扱説明書や本体に記載されていることが多いです。
初期設定には、ルーターの管理者IDとパスワードが必要になる場合があります。

管理画面にログインしたら、プロバイダから提供された接続IDとパスワード（PPPoE認証情報）を入力して、インターネット接続設定を行います。

b) 専用アプリによる設定

最近の市販ルーターの多くは、スマートフォン向けの専用アプリを提供しています。アプリをダウンロードし、画面の指示に従って設定を進めることで、より簡単に設定が完了します。

ステップ6：インターネット接続の確認

ルーターの設定が完了したら、パソコンやスマートフォンなどのデバイスでインターネットに接続できるか確認します。Webサイトの表示や、動画の視聴などを試してみてください。

ONUと市販ルーターの接続における注意点

**「ブリッジモード」と「ルーターモード」の選択:**
ONUにルーター機能が内蔵されている場合、市販ルーターを接続する際に、ONUを「ブリッジモード」（または「ローカルルーターモード」など）に設定する必要がある場合があります。これにより、ONUと市販ルーターの両方がルーター機能を持つことによるIPアドレスの二重払い出し（二重ルーター）を防ぎ、ネットワークの不具合を回避できます。
**プロバイダからの情報:**
インターネット接続には、プロバイダから提供される「接続ID」と「パスワード」が必要になります。これらの情報は、契約時に受け取った書類などに記載されていますので、事前に確認しておきましょう。
**LANケーブルの規格:**
高速なインターネット回線を使用する場合は、CAT5e以上のLANケーブルを使用することをおすすめします。
**ルーターのファームウェア更新:**
ルーターのセキュリティを維持するため、定期的にファームウェアの更新を確認し、最新の状態に保つことが重要です。
**Wi-Fi設定:**
Wi-Fi接続を行う場合は、SSID（ネットワーク名）とパスワードを設定します。セキュリティのために、推測されにくいパスワードを設定しましょう。

ONUと市販ルーターの役割分担

一般的に、ONUは光信号をデジタル信号に変換する役割に特化しており、ルーター機能は持っていません。そのため、家庭内で複数のデバイスをインターネットに接続したり、Wi-Fiを利用したりするためには、市販ルーターが必要となります。

しかし、一部のONUにはルーター機能が搭載されている場合もあります。この場合、市販ルーターを別途購入する必要がないこともありますが、Wi-Fiの性能や機能面で市販ルーターの方が優れている場合が多いため、あえて市販ルーターを導入するケースも少なくありません。

まとめ

ONUと市販ルーターの正しい接続と設定は、快適なインターネット環境を構築するための重要なステップです。接続手順を誤ると、インターネットに接続できなかったり、通信速度が低下したりする可能性があります。

ONUは光信号をイーサネット信号に変換する装置
市販ルーターは複数のデバイスへのインターネット共有やWi-Fi機能を提供する装置
接続は、ONUとルーターをLANケーブルで繋ぎ、ルーターの設定を行う
設定時には、プロバイダの接続情報（PPPoE認証情報）が必要
ONUがルーター機能を持っている場合は、ブリッジモードへの設定を検討

これらの点を理解し、手順通りに設定を行うことで、安全で安定したインターネット接続を実現することができます。不明な点がある場合は、ONUやルーターの取扱説明書を確認するか、プロバイダや機器メーカーのサポートに問い合わせることをおすすめします。